全光束と器具光束と照度

 前回の照明の回でLEDシーリングライト(以下単にLED)を選んだ旨を語りましたが、「何故LEDを選んだの?LEDって全光束が小さいから暗いんじゃないの?」と、特にこの手のことを調べている人ほど疑問が湧くと思います。確かに色んなサイトでも、「LEDは全光束が小さいので省エネではない」とまで断言されているところも結構あったりします。
 果たして本当にそうなのでしょうか。

 メーカーが示している仕様の全光束はLEDの方が低く、発光効率はスパイラス管のおよそ110ルーメン/W、ツイン管のおよそ105ルーメン/W、従来管でもおよそ90ルーメン/Wなのに対して、LEDは(少し幅が大きいですが)60~90ルーメン/Wぐらいとなっています。
 これだけを見れば確かにLEDの方が省エネではないでしょう。

 ところが、全光束という定義は蛍光灯とLEDでは大きく異なり、蛍光灯の場合は蛍光管から発せられる光の量を表し、LEDは照明器具から発せられる光の量を表しています。これだけを見れば「似たようなものじゃないの?」と思ってしまうかも知れませんが、実は大きく異なります。
 蛍光灯の場合、蛍光管からの光は放射状に360°に放たれます。ところが上方向に放たれた光は反射板で反射はするも、そこでいくらかの光が吸収されます。更に反射した光や直接放たれた光が蛍光管に当たったり、蛍光管を支える器具でそもそも光が放てなかったりで、光がどんどんと吸収されてしまいます。
 更に、シーリング・ペンダントにかかわらず、カバーがついていることが殆どで、その大半は蛍光管を直視できない構造になっています。そのため、そのカバーによって更に光が吸収されることになります。

 そのため、実際に照明器具の外に放出される光の量は全光束の70%程に落ちてしまいます。因みに照明器具の外に放出される光の量のことを器具光束といいます。しかも、省エネだと謳われているスパイラル管は半ば管がうねうねと長いせいなのか、器具効率(器具光束÷全光束)が悪く、中には器具効率が50%を割る照明器具もあります。
 一方のLEDは光源が全て外側に向いているため、ロスとする光は殆どありません。そもそも先の説明の通りLEDの全光束は照明器具から発せられる光の量、つまり器具光束とイコールなわけです。
 LEDと蛍光灯の全光束と器具光束を正しく理解すると、LEDが省エネでないことは正しくないことが証明されます。

 ところで、全光束は殆どの商品に表示されていますが、器具光束は全く表示されていません。パナソニックなどの一部のメーカーの一部の照明器具は製品情報ページの奥深くまでくぐっていくことで見ることが出来ますが、ハッキリ言って複数の製品を比較するにはあまり有益ではありません。
 何故なら器具光束がわかったところで、実際の明るさ(照度:ルクス)の情報(照度分布)は更に限られるからです。比較したい照明器具双方に照度分布がわかる可能性は金のエンゼルを当てる確率より低いのではないでしょうか。

 ですので、一番手っ取り早い方法として、売場で見比べることです。但し、見比べると言っても照明機器を単に見るだけでは放たれる光の明るさがわかるだけで、照らされるものの明るさがわかるわけではありません。また、単に照度測りたくても他の照明器具(天井の蛍光灯を含む)をすべて消すなんてことは出来ません。そんなことしたら店員に追い出されかねません。しかし、それを解決する方法があります。
 その方法は、紙や白地のパンフレットなどをその照明器具から一定の距離を空けて、紙を照らしてみることです。その紙の明るさを比べることである程度照度がわかりますし、紙の位置(照明器具からの角度)を変えることにより、光の広がりも把握できるでしょう。ついでに照明器具からではない、物が照らされる光色(色味)もわかる効果があります。もし隣の照明が邪魔なら、それは消してしまっても大丈夫です。
 但し、1つの店で比べられないときは基準になる照明器具を選んで比較する必要があります。

 尚、こんなことを家電量販店で行うと、店員が話しかけられたり、ジロジロと見られたりと鬱陶しい思いをすると思いますので、ホームセンターをメインにして比較することをお勧めします。
 因みに私はそんなことをしたりして確かめた結果、LEDシーリングライトの購入に至っています。LEDシーリングは蛍光灯に比べて光が淡いため暗く感じますが、照度はその割りに確保されていることがわかったからです。

このブログ記事について

このページは、sakumaが2012年6月13日 18:51に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「固定価格買い取り制度2」です。

次のブログ記事は「エアコンの電気料金」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

カテゴリ

ウェブページ

Powered by Movable Type 5.13-ja